『達人プログラマー』に学ぶ習慣術③ー知識ポートフォリオを作成する

『達人プログラマー』に学ぶ習慣術③ー知識ポートフォリオを作成する 書評

定期的に読み返している1冊『達人プログラマー』から「習慣」にフォーカスして、今日からすぐに実践可能なTipsを学び直すシリーズ。

今回は、「知識ポートフォリオを作成する」ことについて取り上げたい。

『達人プログラマー』に学ぶ習慣術③ー知識ポートフォリオを作成する

フリーランス・個人事業主になって意識的に行うようになった行動の一つとして、自身のスキルセットを振り返る頻度を増やしたことが挙げられる。

正直、会社員時代はそのタイミングが新たなプロジェクトに参画する場面になって慌ててこれまでの功績をまとめる、なんて有様だったと思う。

組織に属していると上司や顧客など第三者からの評価やフィードバックが自然と自分の元に届いていたが、個人となるとそうもいかないことがわかり、こちらから働きかけるようになった。

しかしながら、そのフィードバックを受ける契機も現在は契約更新のタイミングぐらいで、振り返りのスパンとしては少し間が空き過ぎている。

そのため、スキルシートの更新作業も兼ねて自己評価する機会を増やすことにした。

(この作業には、以前書いたエンジニアリング日誌が大いに役立つだろう。)

『達人プログラマー』に学ぶ習慣術①ーエンジニアリング日誌をつける
”『達人プログラマー』に学ぶ習慣術”と題して、最初に触れたい習慣は「エンジニアリング日誌をつける」というもの。本書では第3章「22 エンジニアリング日誌」として紹介されている。エンジニアリング日誌とは、作業内容や学んだこと、アイデアの概略

この習慣のもとになっているのは、第1章「6 あなたの知識ポートフォリオ」である。

本書における「知識ポートフォリオ」とは、

プログラマーが持っているコンピューティング関連の知識や、仕事の業務知識、あらゆる経験

– David Thomas『達人プログラマー』 第1章「6 あなたの知識ポートフォリオ」

のこと。

金融資産と同様に定期的に投資を行い、見直しと再配分を図るというものです。

すでに前のページでは、重要な指針が述べられています。

自分自身がいま何をやっているのか、常に考え続ける必要があります。これは、どこかのタイミングで一度だけ作業を振り返るという話ではありません――日々の意志決定、あるいは各プロジェクトにおけるすべての意志決定に対して継続的かつ批判的な評価が必要です。

– David Thomas『達人プログラマー』 第1章「6 あなたの知識ポートフォリオ」

上記の自身の作業は「内省」にややフォーカスしていますが、次の一手を具体的に計画するタイミングでもあります。

本書では知識ポートフォリオを充実させる方法のひとつとして、以下を提案しています。

・毎年少なくとも言語を1つ学習する
・月に1冊のペースで技術書を読む

– David Thomas『達人プログラマー』

これらは短期・中長期計画のアイデアとして、とても明快ではないでしょうか?

幸い現在携わっているプロジェクトは自分の裁量が比較的大きいため、悪影響を及ぼさない範囲で学習した内容を実務に活用して小さな改善に取り組んでいます。